ターミナルケアで働く看護師の役割は、患者さんの肉体的苦痛の緩和や精神的苦痛の緩和などで、他の病棟で働く看護師の役割とは少し違う。末期状態の患者は激しい痛みや倦怠感を感じることが多いので、その肉体的苦痛を和らげることが大切な役割となっている。肉体的な苦痛を和らげるというと、麻酔などの薬を使用するイメージが強いが、ターミナルケアでは患部をさすったり手を握ったりするなどの医療行為以外のケアも大切な役割となっている。

ターミナルケアにいる患者は、死期が近いということを感じ恐怖や不安を感じていることが多い。それらの精神的苦痛の緩和を行うのも、ターミナルケアで働く看護師の大切な役割だ。患者の話を聞き、気分転換をさせてあげることによって、死への恐怖を緩和させることができるだろう。

このようにターミナルケアの看護師は、肉体的苦痛や精神的苦痛を持っている患者に対応しなけらばならないので、寄り添う心を持つことが大切だ。患者は死に対して敏感になっているので、看護師の何気ない一言に傷ついてしまうこともある。また患者にかける言葉も心がこもっていないと患者にその気持ちが伝わってしまうことがあるので注意が必要だ。ターミナルケアの看護師は、常に患者の気持ちに寄り添って、患者を安心させてあげるような看護を行うことを求められる。

さらにターミナルケアの看護師は、患者だけでなく家族のケアを行うことも大切だ。家族が精神的に安定することは、患者の安らぎにもつながるからだ。他の看護師と比較してもターミナルケアでは重要な役割を果たすので、十分な経験とスキルを必要とするといえるだろう。